「ご馳走様でした」


味のないパサパサパンを食べ終わり、見張りの騎士に聞こえるように言うと、固いベッドに座った。

このまま昼までぼおっと過ごす。


ぴちょん、と一定に下に落ちる水滴を眺めながら、呆けた顔でただそこにいる。



――私の人生、一体何だったんだろう。


王女として生まれたけれど、決して裕福な生活ではなかったし。

バカ親父は見栄張って、周りで持ち上げる奴らとケバい女にばかりお金を使って、私にはなーんにもなかったのよ?


化粧品もドレスも、そのケバい女のお下がり。

あんな下品な女が着ていたのを私が着る、なんて考えただけでも嫌で、何回も洗ってしょうがなく着て。


化粧品?

さすがに気持ち悪くて使えないわよね。


仕方ないから城にあるお金になりそうなものをこっそりと盗んで、それを売ったお金で買っていたわ。