「ではソフィア、そこに座りなさい」

殿下は席を立たずに、入口に近い席に指を差し、座るように促した。


椅子を引く者は誰もいない。

どうやら勝手に座れ、という事らしい。



席の位置も殿下が一番奥の席に座り、左右に殿下の夫人達が座る。

そして何席か間をおいて、ぽつんと一人、私だ。

声を張らなければ殿下と話す事も出来ないような、遠い位置に私はいる。


座る位置まで差別されていた。


・・・目に見える嫌がらせとはこういう事か。


少し苛立ちを覚えたが、顔に出さないように冷静を保った。