「君には一人専用の侍女を付ける。ナディだ。何かあったら全てこのナディに話すように」

「これからよろしくお願いします、ソフィア様」


そう言うナディの表情はどうも優れない。

多分私の侍女をする事に不満なのだろう。


「では私はこれで失礼するよ。またあとで、ソフィア」


今まで見せてこなかった優し気な笑みを私に見せると、殿下はその場を後にする。



そういう顔も出来るんじゃない。

あまり殿下の笑顔を見た事がなかった私は、その表情に少し心がときめいてしまったけど。