「私もちゃんとすればそれなりに見られるのね」 なんて呑気に言いながら、くるりと回ってドレスの裾をふんわりと浮かせていると、扉のノック音もないまま扉の開く音がする。 その音に慌てて回るのを止め、扉の方向を見た。 扉を開けた先には、正装姿のアレックス殿下。 私の姿を一通りその瞳で見つめたあと、無表情のままで、その口から驚くべき言葉が発せられた。 「今日は私達の結婚式だ。―――ソフィア、お前は私の妻となる」