囚われ姫と金と銀の王子

「ソフィア・クリスフォース・レイモア。これから外へ出る。両手を前に出せ」


朝一番、ガチャリと牢の鍵が開けられ、鉄兜で顔の見えない騎士にそう言われる。

やはり処刑の日、と自覚があるのか珍しく私も早くに目が覚めていた。


私は言われた通りに両手を前に出す。

腕に重い鉄球の付いた手錠が掛けられ、それと同時に顔は布で覆われた。

そして引っ張られるように牢から出され、地上へと上がる階段を上っていく。


・・・いよいよ最後の瞬間がやってきたのね。

何を言われようとも、どんな汚い言葉を吐かれようとも。

決して怯む事の無いよう、その時まで堂々と。

私は仮にも王女だったのだから。



布越しから外の空気に触れる。

草木のみずみずしい香りが鼻を通る。


鳥の声も、風が木々の葉を擦る音も、まるで初めて聞いたかのように新鮮に聞こえた。


最後だから、そう感じるのかもしれない。

でもどうせなら、最後だからこそそれをこの目に焼き付けて死にたかったな。


今更そんな事考えても仕方がないんだけど。