囚われ姫と金と銀の王子

フェルナンドは不機嫌そうな声で言うと、私にまた唇を落とした。

アルコールの香りが咥内に広がり、甘い唾液が交わった。

情熱的な口づけ。
抵抗しようにも、どうしても身体に力が入らなくなってしまう。


「ふあ……」

思わず息が漏れ、声を出してしまった。
その声に火が付いたのか、口づけが激しくなる。


「いけませんね、どうしてそんなに私を煽るのでしょう」

「あ、煽ってなんか……。それよりもここ、食堂……」

「周りの目が気になりますか?では、二人きりになれる場所に行きましょうか」


ニコリと笑うと、私をまた横抱きに抱える。

そして、食堂を後にした。


抵抗しても良かった。
拒絶しても良かった。


けれど、今の私にはフェルナンドに抗拒するのは、もはや不可能だった。



「私が貴女を幸せにしてあげましょう。聞き飽きるほどに愛の言葉を、抱えきれないほどの愛を貴女に一生捧げる事を誓います。だから、早く私に堕ちなさい」



廊下を歩きながら、フェルナンドはそう囁いた。