囚われ姫と金と銀の王子



予想だにしない発言に、言葉を失う。

私が、公爵夫人……?
フェルナンドと結婚する……!?

「な、何を言っているのか分からないわ……!」

「言った通りですよ、エリス。私はこの機会をずっと伺ってきたのです。そしてようやくこうやって貴女をあそこから連れ出す事が出来た。貴女は知らないでしょうが、私は貴女をずっと前から密かに思い続けて来たのですよ」


そう言って、フェルナンデスは顔を近付けた。
甘い吐息が私の顔にかかる。


心臓が、激しく脈打ち始めた。

漆黒の瞳に見つめられるのが恥ずかしくなり、思わず顔を背ける。


「ああ、逸らさないでエリス。私はようやく貴女の傍で、こうやって貴女の顔を見る事が出来るのです。どうか私にその美しい顔を見せて」

「や、やめて。私はあなたなんて……」

「意地を張るのはお止めなさい。必ず貴女は私を好きになるのですから。諦めなさい」


逸らしていた顔を無理矢理戻され、そのまま唇に温かいものが触れた。

私の意に反して、それは深くへと侵食していく。


ありったけの力でフェルナンドの胸元を押して引き離そうとするが、思った以上に動かない。

その間にもフェルナンドは優しくも激しく私の唇を貪り、徐々に頭の中が真っ白になっていく。



いけない……、このままでは私は……。