それから2週間ほどで傷もしっかりと塞がって、痛む事も無くなった。

寝てばかりいた私の体力は驚くぐらいに落ち、最初は歩くだけでも疲れてしまうほどだった。



あの事件があってからというもの、冷たい態度であった国王夫妻は、自らの命をかけて殿下を守った勇敢な王女として私を称え、一転してアレックスとの結婚を認めた。


目も合わさなかった王妃様も、今では私と何気ない話をするまでになっている。


あの事件が結果的に私の株を上げてしまったのだから、何とも皮肉なものである。



そして私の部屋はあの日の当たらない部屋ではなく、アレックスの部屋の隣になった。

今まで住んでいた部屋よりも一回り以上大きな部屋で、家具も豪華な装飾の施されたもの。


本来は、正妃になると決まった時からアレックスと同じ部屋になるそうだけど、私の気持ちがまだ自分にないからとアレックスは敢えて別部屋にする事にしたらしい。


同じ部屋で共に寝起きするのは、心が通うようになってからにするという事だった。



「しかし、これでソフィアが私を好きになってくれなかったら、ずっと別部屋なのか・・・」


自分で決めておいて、アレックスは肩を落とす。

そんなアレックスを見て、私は笑った。