あの事件から3日たった。

しかし、ソフィアの意識は戻らない。


傷は思ったよりも深くはなかったが、出血量が多く目覚めるまでは安心できないと医者は言う。


私はずっとソフィアが横たわる寝台の横で、祈るしかなかった。



早く目覚めて欲しい。

固く瞑ったその目を開けて欲しい、そう祈りながらずっとソフィアの隣にいた。



意識は戻らずとも刺された部分が痛むのだろう、たまにソフィアはその顔を歪め、小さな声で唸る。

そのたびに私の心は抉られるように苦しくなった。



「殿下、少し休まれてはどうですか?ずっと寝ていらっしゃらないじゃないですか。このままでは殿下も・・・」


私を心配してか、ナディはそう声を掛ける。

しかし、その言葉を素直に受け入れる事が出来なかった。


「こんな時に休んでなんていられるか!ソフィアは私を庇ってこんな状態に・・・!全て、全て私の責任だ・・・!!」


ソフィアの手を握りしめ、祈るように握った手を額に付けた。


私がエリス達の心を弄んだ結果だ。

知らない間に追い詰めてしまったばかりに、ソフィアはこんな事に・・・!



ナディがため息を付いたのが聞こえる。

私は目線だけナディに移した。