「いえ、正直に言いますと、寝られましたけど」


そうハッキリと殿下に話す。

もう隠してもしょうがないと思った。

どうせ、死んじゃうんだし?


今ここで怒りを買って死んでも、その日に死んでもさほど変わらない。

ここはもう腹を括って正直に話すしかない、そう思った。



目の前の殿下は、それはもう目を丸くして私を見つめていて。

その瞳の大きさに逆に驚く位だった。



「・・・そうか」


眉間に皺を寄せ、そう呟く。

そして、そのまま何も言わずにその場から去った。