夜会の会場である大広間には、たくさんの人が集まっているらしく、扉が閉まっていても賑やかな声がうるさいくらいに漏れ聞こえてくる。
殿下は扉の前で立ち止まると、握っていた私の手を離した。
そしてエスコートの体制をとる。
「その顔を人様に向ける事のないようにな。ソフィアも国の王女だっただろう?私の言いたい事が分かるな?」
厳しい表情を浮かべながら、殿下は私にそう話す。
どうやらその仏頂面の顔を招待客の前に晒すな、と言いたいらしい。
ものの言い方に少しムッとしたが、息を2,3回大きく吸って吐き、気持ちを切り替える。
「承知しております、殿下。常に笑顔を、という事ですね」
「そういう事だ。これからは人前に出る時は、何があってもその笑みを崩してはならない。ソフィアが嫌だと思っていても、表向きでは私と仲睦まじい素振りを見せなくてはならない。それがソフィアに課せられた義務だ」
「・・・はい」
「では、行こうか」
殿下は扉の前で立ち止まると、握っていた私の手を離した。
そしてエスコートの体制をとる。
「その顔を人様に向ける事のないようにな。ソフィアも国の王女だっただろう?私の言いたい事が分かるな?」
厳しい表情を浮かべながら、殿下は私にそう話す。
どうやらその仏頂面の顔を招待客の前に晒すな、と言いたいらしい。
ものの言い方に少しムッとしたが、息を2,3回大きく吸って吐き、気持ちを切り替える。
「承知しております、殿下。常に笑顔を、という事ですね」
「そういう事だ。これからは人前に出る時は、何があってもその笑みを崩してはならない。ソフィアが嫌だと思っていても、表向きでは私と仲睦まじい素振りを見せなくてはならない。それがソフィアに課せられた義務だ」
「・・・はい」
「では、行こうか」