―――翌日。


今日の夜会に私は参加しないだろうと、食事も摂らず寝台の上でぼおっとして過ごしていた。


「ソフィア様、何か少し口にしましょう?せめてスープだけでも。そんな事では倒れてしまいます」

「・・・食欲がないの。放っておいて」


心配するナディをよそに、私は何もする気が起きず、ただ一点を見つめて横になっているだけだった。



夕方近くに、部屋の扉が叩かれる。

ナディが扉を開けると、何人かの侍女がなだれ込むように部屋へと入って来た。



「殿下から夜会の準備をするようにとのご命令です。お時間がございません、ソフィア様起きて下さいませ」

「・・・え?夜会って、私は参加しないんじゃ」

「何を仰いますか!今日はソフィア様のお披露目ですよ!殿下はそれはもう楽しみに・・・!」


・・・は?楽しみ?

どうして?もう私の事は見限った筈じゃ・・・。


困惑する私をよそに、侍女達が無理矢理私を寝台から離すと、着ている服を脱がせて湯浴みへと連れていかれる。

そしてあれよあれよという間に、華やかなドレスを着せられ派手な化粧を施され、髪を纏め上げられた。


「・・・どういう事?」

つい、そう口から出てしまう。




「――ソフィアがそう思うなら、そう思っていればいいって事だ」