「ソフィア、今日は城の庭でも散歩をしないか?今まで外に出ず、部屋で引きこもってばかりいただろう?たまには陽の光でも浴びた方が気持ちが前向きになるぞ」

昼食を終え、まったりと部屋でくつろぐ私の元に、殿下がやって来てそう話す。

殿下は他の妻達との問題は解決したと思っているらしく、それはもう晴れ晴れとした笑顔で私の前に現れた。


まったく、女の恐ろしさを知らない奴は能天気で困る。

出来ればこっちは彼女達がここからいなくなるまで、部屋で篭っている方が安全で安心なのに。


・・・けれど、殿下の誘いを断って変に怒らせたり落ち込まれても、後々面倒臭いし。

仕方がないから、その誘いを受けるしかないわね。


「・・・そうね。喜んで」

そう言って、殿下が差し出していた手を取った。