「・・・いかにも、私がその「金と銀の王子」と呼ばれるアレックスだが。君は、礼儀と言うものを知らないのか?」

不機嫌そうな表情を浮かべながらそう言われ、私は慌ててボロボロのドレスの裾を持つと、アレックス殿下に対し一礼をする。


見た目はいいけれど、どうやら中身は最悪のようだ。


いや、私にだからそういう態度なのか。

よく分からないが、とにかく見た目とはえらくギャップがある。



「さて、私がわざわざここに来たという事は、お前はもう分かっているな?」


その言葉に、私は恐る恐る顔を上げた。


その表情はとても冷たい。

まるで虫けらを見るように、蔑むような表情だ。



その表情に私は一瞬で理解した。


「・・・はい。多分その事が決まったのだろう、と」

「その事とは?」


「私の、処刑の事です」