「お前はそんなに私と話をするのが嫌か。こんなに私がお願いしているのに、お前は会ってはくれないのか」

「正直に言いますと、顔も見たくありませんし話をする気にもなりません。あなた達は私に対して夕飯時、毎日のように見下した目で私を見て、そして差別をしている。目に見えた嫌がらせをしている人と、どうして話したいと思いますか?」


・・・ソフィアは重々に気付いていた。

気付いていたのにそれを外に出さず、気丈に振る舞っていた。



だがそれ故に私の顔を見たくない、話をしたくないと・・・。

私の心が鋭い刃で切られたように、酷く痛む。


なんて馬鹿な事をしたのだろう、とその時初めて後悔をした。

子供じみた真似をして、結局はその行動が自分の首を絞めているなんて。


なんて馬鹿なんだ、私は!



私が何も言えずに黙っていると、ソフィアはさらに話を続ける。

初めに思っていたことをズバリと当てられ、我慢出来なくなり手に持っていた鍵を鍵穴に差し込んだ。


勢いよく扉を開けると、思っていたよりも扉の近くにソフィアがいて、開けた勢いで倒れそうになる。


私は咄嗟にソフィアの手首を掴み、私の身体へと引き寄せた。


思った以上に柔らかく、いい香りのするソフィアに、私の心臓は一気に激しさを増す。


咄嗟に逃げないようにソフィアの身体に手を回した。