あたしは青ざめてクラスメートたちを見つめる。


みんな、本気だ。


鞄から小型のナイフやロープを取り出すのが見えた。


みんな今日はこのために登校してきているのだ。


「やめて……」


声が震えた。


「せめて……朝日だけは助けてあげて!!」


あたしは震える声でそう叫んでいた。


朝日は記憶もなく景品として送られてきているのだ。


なにもわからないままみんなに殺されてしまうなんて、ひどすぎる!!


「君は優しい子だねぇ。こんな殺人犯をかばい、名前までつけて、揚句体を許すなんて」


緒方先生がおかしそうにそう言った。


周囲から笑い声が漏れる。


「……なんでそこまで知ってるんですか?」


「君の家には盗聴器を仕掛けさせてもらっていたからね。両親が旅行中で手薄なうちにこっそりと」


緒方先生の言葉にあたしは下唇をかんだ。


やっぱり、両親の旅行さえ仕組まれたものだったのだ。


おそらく、あたしの時と同じようにくじの大きさを変えて入れておいたのだろう。