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それから一時間後。


あたしと歩は一通りの検査を終えていた。


検査結果は異状なし。


体のあちこちに打ち身があるためシップをもらって終わりだった。


病院を出てあたしと歩は同時に立ち止まる。


そして、互いに顔を見合わせた。


「異常なしだって」


歩が言う。


「うん……」


あたしは頷く。


異常なしと言う事は、元に戻る方法がわからないと言う事だった。


「どうする、これから」


「どうするって言われても……」


歩の質問にあたしは首を傾げた。


心が入れ替わってしまった経験なんて今までの人生1度もない。


どうしていいのかなんて、あたしにだってわからなかった。


「……とにかくさ、俺たちもう少しお互いの自己紹介をしようか」


「自己紹介?」


「あぁ。学校でも会話はするけれど、それほど仲が良いってわけじゃなかっただろ? それなのに心が入れ替わって。いつどうやったら戻れるかもわからない。

とにかくお互いの事を知るところから始めた方がいいと思うんだ」