雨が降った日もあるにはあったんだけど、下校時に降ってくれないと意味がない。

 降っても午前中で止んでしまったり。
 ちょうど下校のタイミングで晴れてしまったり。
 傘を差す必要も無いような弱い雨だったり。

 わざと意地悪してるとしか思えない空を見上げて、心の中で何度もシクシク泣いたっけ。

 しかも凱斗とあたしの下校のタイミングも最近、なぜかまったく合わなくて、なんかもう運命のイタズラに翻弄される悲劇のヒロインな気分だった。

 そうして意地悪な天気に泣かされ続け、肩透かしされ続け、辛抱し続け、イライラし続けて……一ヵ月。

 やっとやっと、ついにこの日がやってきたんだ! 今日こそ凱斗の本音が聞けるかもしれない!