「私さ、今まで言ってなかったけど、知らない間に和宏君の事、凄く好きになってたみたい。・・・好きだよ、和宏君。ずっと言わなくてゴメンね」

そう言った瞬間にまた、唇を落とされる。
その唇は熱を帯びていて、なんとなくだけど余裕がないようなそんな荒いキス。
いつもはどんなに甘い言葉を話していても、こんなになる事はなかったのに。

「・・・ヤバい。凄い嬉しい。嬉しすぎて自制きかなくなりそう」

「ちょ、ちょっとここはダメだよ!?火も付いてるし」

「うん。だからちょっと止める。ゴメン、お腹空いているよね?だけどさ我慢出来ないんだ。先に里緒奈の事食べちゃっていいかな?」

「な、なに言って・・・!まだお風呂にも入ってないし、それに怪我!私怪我してるから!!」

「風呂とか関係ないし、それに手は痛くしないように気をつけるから。無理、俺本当にもう無理」

そう言うと私を横抱きに抱えて寝室へと連れて行く。
そして覆いかぶさるようにベッドに横たわると、そのまま唇を塞いだ。

その時の事はもう何が何だかあまり記憶もない。
岡田さんがずっと小さな声で「好きだ、愛してる」って囁いていたのだけは覚えている。

そのたびに身体の奥が熱くなって、不思議と私も同じ言葉を返しているのだ。
結局落ち着いたころにはもう夜中になっていて。
随分と遅い夕飯、いや夜食を二人で食べた。

「はい、あーん」

「・・・だからいちいち食べさせるのにその掛け声はやめて」

恥ずかしがる私をよそに、岡田さんは満面の笑みでご飯を食べさせてくれた。

なんだこのバカップルぶりは。
こんなの絶対人には見せられない。

でも岡田さんの事だから、人前でも気にせずやっちゃうんだろうな。
・・・ああ、これからが心配だ。