「じゃあさ、今いるここ。どこ?」



地図が返されて、指を指すように指示される。



なんてやつだ。


一国の王子に指図するなんて。


……別にいいけど。



「ここ」



トン、と今いる場所の地図を指で指す。



「あれ、おかしいな。合ってるや」



やい待て、ガキ。


おかしいな、ってなんだ!



「で、カフェ・レヴは?」


「……ここ?」


「はい、ボロでたー」


「え」


「違いますぅー」



うっわ、馬鹿にしてきた。


ない、それはないよ。


一国の王子に向かってそれはない!


僕の王子の威厳は本当にどこ行ったんだよ!



「カフェ・レヴはここですぅー」



ドヤ顔で僕にカフェの場所を見せてくるフリュイ。


なんだよ、僕が指したところとそう変わらないじゃないか。


というか。



「お前、カフェの場所なんで知ってるんだ?」



確か前に知っているかと尋ねた時、「聞いたことあるなぁ、くらい」と言ったじゃないか。


おかしいのはどっちだ。


お前の方だ!