それならば、証明してやらねば。


でなければ、僕はレティシアと結婚出来そうにないし。


それは絶対避けたい。


僕はレティシアとしか結婚するつもりはないから。



「バベル、どうするの?」



読み終えたフリュイが、僕を窺う。


そんなの決まってる。


証明するためにやるべきことをやる。



「僕はレティシアを絶対に見つける!」



気持ちを新たにして引き締めた僕は、空高く握りしめた拳を太陽に翳した。



「わーお、即答だね」


「まあな。僕はレティシアが全てだから」


「ふうん、面白そう。フリュイもついていくよ」



レティシアに惚れ込んでいる僕を笑って、フリュイも同じように拳を突き上げた。



「茶化してんじゃねーよ」



太陽に翳した拳を、フリュイの頭にコツンと当てた。


痛みに眉を寄せてフリュイは少しふてくされた。



「いいじゃん、応援してんだからさ」



わかってるよ。


だんだんお前のことわかってきたよ。


生意気なのは、不器用だからだろう。



僕は、くしゃりとフリュイの頭を撫でた。



「結婚式、絶対呼んでよね」


「あーフラワーボーイだっけ、あれだったらやらせてあげるよ」


「はぁ? やだよアレ子供っぽい」


「王子直々の好意を断るのかよ」


「だって普通に呼んでほしいもん」



わかったよ。


まったく、注文が多いんだから。


仕方ないから、バベル王子の貴重な小さな友人として式に呼んであげるよ。


くだらない話をしながら少し仲良くなった僕らは、カフェ・レヴへ歩き出した。