「だけど」



真剣な声を出した僕をフリュイは顔を上げて見上げた。



「僕は、レティシアに会いたい」



フリュイは、何故かちょっぴり嬉しそうに、だけど悲しそうに微笑んだ。


それから目に微かな光を宿した。



「……フリュイも、見つかったって言われてた王女に会いたい」



足に力を入れて、フリュイが立った。



「あ、でもあの騎士には見つかりたくないからそこのところ宜しくね」


「なんで?」


「秘密」


「また秘密かよ」



はあ、とため息を吐く。


本当に、秘密が多いな。



「ねえ、騎士を追うんでしょ?」



上手く話を逸らすフリュイを軽く睨んだ時には、既に背を向けられていた。


ルディが、フリュイの肩から空へ高く飛んで騎士やレティシアを探し始める。



「ああ、行こう」



僕たちは、騎士が行った道を進み出した。