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京一郎の教え方は完璧だった。


先生たちよりもずっとわかりやすく、丁寧だ。


この美の成績がいいのはきっと京一郎のおかげで、この美本人の実力ではない。


京一郎に教わりながらあたしはそう感じた。


京一郎はテスト前に必ず出題されそうな部分を予測し、それを高確率で当てたりもする。


ホームルームが始まる前に随分と勉強を教えてもらったあたしは大きく息を吐き出した。


教室の中を見回してみると、この美はまだ来ていない。


今日は休みなのかもしれないと思うと、あたしに遠慮はなくなった。


「ねぇ、次の休み時間にはヤマ勘のやり方を教えてよ」


「あぁ。いいよ」


やった!


これで京一郎との距離を縮められる!


一瞬明彦を目が合ったがあたしはそんな事気にもせず自分の席に座ったのだった。