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そのまま帰りのホームルームが終わり、あたしたちは帰る準備をしていた。


「知世! 今日どっかよって帰るか?」


明彦がいつもの調子で声をかけて来る。


「明日もテストだよ?」


「そうだけど、息抜きだって必要だって!」


そう言いあたしの肩に手を回して来る。


いつもはそのくらい嫌じゃないけれど、今日は違った。


明彦は数学で80点以下だったのだ。


のんびりとデートなんてしている場合じゃない。


「あたし、かえってテスト勉強しなきゃいけないから」


冷たくそう言い、明彦の手を振り払う。


明彦は目をパチクリさせて「まじか……」と、肩を落とした。


カップル揃ってこの美たちに負けるなんて、恥もいいところだ。


しかし、明彦はそんな事気にもしていない様子で、イライラしているあたしに困った表情を浮かべていたのだった……。