「2……位?」


一瞬、あたしの周りの時間だけが停止しているように感じられた。


明彦の言った『2位』という言葉が頭の中でぐるぐると回る。


ようやく自分の名前を見つけて順位を確認すると、明彦の言った通り2位で、5科目合計488点と書かれている。


悪くない点数だ。


平均97点も取れている。


これは自分でも予想していなかった点数だった。


それでも女子の1位は……北原この美、490点。


その名前を見た瞬間、世界がグラリと歪んだ気がした。


吐き気がして、思わずその場に座り込む。


「知世、どうした?」


2位というあたしの順位に喜んでいた明彦が、慌ててあたしの顔を覗き込んでくる。


嘘だ……あたしが、この美に負けるなんて。


吐き気を我慢して男子の順位を確認する。


1位、小木京一郎492点。


ほぼパーフェクトな正解率だ。


「ごめん、ちょっとトイレ……」


気分の悪さにあたしは女子トイレへと走ったのだった。