☆☆☆

翌日。


あたしは朝7時に目が覚めていた。


昨日はぐっすりと眠ることができて、とてもさわやかな朝だった。


空は昨日と同じくらい晴れ渡り、絶好のデート日和だ。


ご飯と準備をすませてスマホを確認すると、9時を過ぎていた。


あと数十分で明彦が迎えに来てくれるけれど、それまでまだ少し時間がある。


あたしは机に教科書とノートを広げた。


今回テストに出たところをもう一度おさらいしておくのだ。


こうして繰り返していくことで、問題は簡単に解けるようになっていく。


花梨が勉強を苦手をするのは、繰り返す事をしないからだ。


授業で一度習ったらそれで理解したつもりになって放り投げてしまう。


一度理解したつもりでいても、次々と新しい事を習うとその分記憶は抜け落ちて行ってしまう。


だから、覚えたと思った事でも何度もで繰り返して勉強すればいいのだ。


数学のテスト問題を解き終わった時、ちょうどチャイムの音が聞こえて来た。


あたしはペンを置き、バッグを掴んで慌てて一階へと駆け下りた。


「おはよう知世」


玄関を開けるとそこには明彦が立っていて、ニコッとほほ笑む。