「起きたのか」 男の声に、怪我の痛みをひとつひとつ確認していたわたしは動きを止めた。 初めて聞く声。 少し居丈高な、低い声にわたしの中の何かがざわめく。 わたしはこくりと唾を飲み込んで顔を上げた。 声の主を見る。 「伊達君……?」 いつからそこにいた? ――いつから、学校にいるの? わたしは聞きたい言葉を飲み込み、落ち着いた様子を取り繕う。 .