プルルルル……プルルルル……
「はーい。」
いつもより少し元気のない紗希が電話に出た。
「紗希?大丈夫?」
「熱は少し下がったけどまだだるい~。」
「そっか、ごめんね、電話して…。
あのね、紗希には伝えなきゃと思って……。」
「なに?」
「あのね……昨日あたし階段から落ちたの。」
『えぇ!?大丈夫!?』
「怪我は大したことないんだけど、昨日は足がいたくて歩けなくて……
その…保健室まで近くにいた啓介くんに抱えられて運ばれたの。
なんか秘密にしておくのも嫌で………。」
『芽依が無事でよかったよ。
大丈夫だよ、そういう事情があるならさ。
芽依から直接聞いてよかった。
目撃情報みたいので聞いたら
なんで言ってくれなかったの?って疑ってたかも。
教えてくれてありがとう。』
「ううん。あたしも逆な立場だったら
黙っていられるのやだったから…。
ごめんね、ありがと!
じゃあもうすぐご飯だし切るね。
ゆっくりして早く元気になってね!」
『うん、ありがと!』
そういって電話が切れた。


