突然来た同居人。



「……寂しくねーの?」



「………寂しいよ。

でも……会えない訳じゃない。


あたし会いに行くよ。


碧だって、いつだって帰ってこれるよ。


ここ、碧の家だもん。


電話だって、メールだって、顔を見ることだって

今の時代なら簡単なことだよ。


だからさ、今だけ。

親孝行だよ。」



「………ごめんな、芽依。


そんなこと言わせて。


芽依はいつも親に会いたくても我慢してんだもんな。

わがまま、言ってられないか………。」


碧は決心がついたのか、立ち上がりあたしを抱き締めた。


「毎日メールも電話もできるもんな。

芽依は男嫌いだから浮気の心配もないしな。


いつもより…会えないだけだもんな。」



「そうだよ。

あたし、離れてもずっと好きだよ。


だから心配しないでよ。


っていうかあたしの方が心配。

碧、モテるもん。」



「俺は1年半ずっと片想いしてきたんだ。

今さら芽依以外好きになれない。


だから、芽依も心配すんなよ。

毎日連絡するし。」




「うん。約束ね。」



「………母さんに伝えてくる。

芽依もいこ。」



あたしたちは一緒にリビングへ降りた。