「俺はここを離れたくない。
来年は受験だってあんのに今さら……。」
「１年だけでいいの。
高校生の間だけでいい。
大学はこちらを受けていい。
そのあとのことは何も言わないわ。」
だから……と続けようとしたおばさんを遮るかのように、碧は席を立ち、部屋へいってしまった。
「………おばさん、１年たって、
大学に受かればまたこの家に碧は戻ってきますか？」
「……さくらと芽依ちゃんがよければぜひ。」
「うちは全然構わないわ。
さっきもいったけど、碧くんがいて助かるの。」
「………少し、待っててください。」
あたしは碧のもとへと向かった。
