「ほら、あそこ。」
「ん?
………うわぁ…きれい。
イルミネーションって初めて。」
「そうなの?」
「うん。来る人いないから。」
「そっか、俺も初めてだけど。」
「経験値が上がったね。」
「だな。
あと少しでレベルアップだな。」
「あ、え?」
「え、なに。」
「田辺さん、あそこ。
彼氏かな。
いい加減碧のこと諦めたんだ。」
「ほんとだ。
つーかあれ、先輩だぞ。」
「え!そうなんだぁ。
じゃあもう少しで離れちゃうね。学校。」
「ま、関係ないだろ。」
「だね。
あたし碧と離れても平気だもん。」
「ん、俺も。
てか家一緒だしな。」
「ね、それ大きいよね。」
あたしたちはそんな話をしてイルミネーションを眺めた。


