あたしたちは時間が近づいてきたので映画館に移動した。
「飲み物買ってくるわ。」
もう最近は何飲むのか聞いてこない。
ご飯のときもそうだけどね。
ちゃんとわかってくれるのが嬉しい。
「ん、お待たせ。
行こ。」
あたしたちは席についた。
「さすがイヴだね。
カップルばっかり。」
「な。
定番なんかな。」
「あたしたちにはわからないね。」
「経験値が足りない。」
「レベルアップできないね。」
なんて適当でとくに笑えもしない話をしてるのに
碧といるとそれさえも楽しい。
「今日レベルアップできる気がする。」
「そういうこと言わないで。」
「いいじゃん、意味不明だろ。」
「まぁ、そうかも。」
そんなくだらない話をして、映画が始まった。


