「けっこう怖かったね。」 「思ったより良くできてたな。」 そう感想を言う3人に対し、あたしはなにも言えなかった。 「芽依、大丈夫だった?」 無言のあたしを心配して紗希が聞いてきた。 「芽依は映画どころじゃなかったもんな。」 「なっ! 碧のせいじゃん!」 「芽依が怖がってるから。」 「……碧、なにしてんだよ。映画館で。」 啓介くんはもはや呆れていた。 まあでもおかげで怖くなかったんだけどね、ほんとに。