しばらくして芽依は涙を拭いて顔をあげ、その男に笑顔を見せた。 その瞬間、俺とも目があった。 「……碧…。」 俺は自然と芽依の元へ歩き出していた。 「帰ろ。」 俺は芽依のところまで来ると手を握り、それだけいって歩き出した。 あの男も、芽依もなにも言わない。 歩いて数分で家についた。 俺は手を握ったままリビングへ入った。