「俺遊園地ってかなり久しぶり。
高校入って初めてかも。」
30分くらいかけて遊園地に到着し、あたしたちはジェットコースターに並んでいる。
「そうなの?
あたし先月ここじゃないけど紗希と行ったばっかり。」
「好きなんだ?」
「ママがね、お礼とかでよくチケットもらってくるの。
すぐにまた持ってきたし、使わないとたまっちゃうから。
遊園地だけじゃなくて図書カードとか商品券とか食事券とかも。」
「へー、なんかラッキーだな。」
「だからこれからも付き合ってもらうかも。
夏とかプールの無料券遣いきれないからね。
毎年。
10枚単位でもらってくるから配るの。」
「プールか、それは楽しみだわ。
芽依の水着姿が。」
「ちょっと!」
「はは、うそうそ。」
「もう…。
ってか男子ってあんまり遊園地来ないの?」
「人によるんじゃね。
俺の友達はあんまっていうか並ぶのとか嫌いなやつ多いし。
啓介とかさ、あいつ井上には優しいけど俺らにはすげー厳しいし。」
「え、そうなの?
すっごい意外。」
「俺さー、昨日啓介んち行ったじゃん?
で、告る前に電話したら
しつけーな。
って言われたし、報告してやろうと思ってまた電話したら
うぜーなって感じだったし。
まじひどいだろ。」


