「芽依さ、なんかあったら言えよ?



今回のこともさ、なんで言わないの。」



「だって、あたしが言ったら


なんか碧を責めてるみたいじゃん。」


え?


「あたしあんなの全然平気だよ。


あたしさ、中学の時、友達の好きな人取ったって誤解されて、いじめられたことあるんだよね。


しかも3回も。


少し話しただけ、とか


告白してきたから、とか


一緒に帰った、とか。



だからなんか慣れた。」




「……だから男を拒否するようになった?」



「うん、まあね。


男子と話してこうなるなら、最初から話さない方がいいって思うようになった。


そしたら男子みんな無理になったの。



だから男子から呼び出されても絶対行かない。


それで誤解されたらめんどくさいもん。



あたしは別に好きでもない、話したこともない


知らない人に告白されただけでいじめって。


そんなのくだらないでしょ?



今は紗希がいるから怖くはないけどね。



碧も。あたしのそばにいてくれるでしょ?



だからああやって言われても怖くないし別にどうってことないの。


紗希だったり、碧だったり、


二人は大事だから絶対逃げたりしないよ。」