綺麗な声を紡ぐ唇がぴたりと閉ざされると、宮川さんは立ち上がった。 「わたし、この歌が好きなんだ。英語も日本語も、歌詞の意味は違うんだけど、どっちもわたしを支えてくれたから」 「そう、なんだ」 宮川さんの大人びた微笑みはたくさんの節目を乗り越えていった強さで深みを増していた。 「井上さん、ごめん。学園祭には行かない。あそこはもうわたしの居場所じゃないから」 きっぱりと告げられた言葉は遠慮ではないのだと理解した。