伸ばされてくる小さな手を取って、言った。 「愛梨ちゃん、あたし井上美歌っていうの。よろしくね」 女の子はあたしを見て口を開く。 あーとかうーが、いーとかみーに変わる。 宮川さんが笑いながら、母親の顔で愛梨ちゃんに促した。 「美歌ちゃんだよ。言ってごらん、愛梨?」 あたしの心臓がゆるやかに跳ねる。 美歌ちゃん、て呼んでくれた。 あの宮川さんが。