「ママー」 膝をついて手を伸ばしたあたしの視界の中に、小さくてぷっくりした子供の人差し指が見える。 驚いて顔をあげたあたしの前に、にぱっと笑みを浮かべた女の子が立っていた。 その子は一歩を大きく幅をとって、あたしに手を伸ばしながらよろめく。 焦って抱きとめる間もなく、でんと尻餅をついた。 泣く様子もなくきょとんとした表情が、あたしから芝の上の爪楊枝ケースへ移る。 「ママ、これー」 女の子がケースを手にとって振り返った。 「あ」 女の子の視線を追って見上げたあたしは呼吸を止めた。