そして私たちは教室へ向かった。


「おっはよー。」


私は教室に入るなり挨拶をした。


「由茉~!!」


「莉桜~!!ひさしぶり!」


「もう!由茉いきなりアメリカ行っちゃうんだもん!

全然遊べなかったじゃん!」


「ごめんごめん。」


「荻山は知ってたのかよ。

由茉がアメリカ行ったこと。」


湊が聞いた。


「もちろん。出発前に連絡くれたから。」


「…秀には?」


「真っ先にいったけど?」


「…なんだよ…。俺ら知らなかったのに…」


と落ち込む湊。


「由茉、橘くんたちに言わなかったの?」


「うん…だって湊たちに会いたくなくて

アメリカいったんだもん。

兄たちにも絶対言うなって口止めしてったの。」


「へー、由茉もなかなかひどいのね。」


はは、と笑う莉桜。


「俺めっちゃ調べてたのに。

荻山か秀に聞けばよかったな…」


と爽まで落ち込む。


「みんなごめんね?

戻ってきたんだからいいじゃん。」


私はそう言って席についた。