次の授業は選択科目。

わたしもはるくんも必須分だけじゃなく、追加で英語を選択している。

だけど、わたしよりずっと頭のいいはるくんはひとつ上のランクの授業を受けているんだ。



だから移動先の教室は違うところ。

以前なら場所は違っても廊下を並んで歩いていたんだけど、もうそんなことはない。

これもまた、わたしたちの変わったところのひとつだね。



いい加減、はるくんが隣にいないことに慣れなくちゃと思っているのに。

それなのに、変化が目について仕方がないの。



いつもならもっと授業が始まる直前のギリギリにやって来るはずのはるくんのグループが、中でわーわーと盛り上がっている。

その声が廊下にまでもれて、会話の内容が丸聞こえだけど……いいのかなぁ。



「うおー! はる、やべーよ!」

「こんなのわかんねー!」

「アクセントなんてどうでもよくないか⁈」

「なんでお前らは課題やってこないんだよ……」



ああ、はるくんだ。

彼の声をわたしの全身で感じようと、思わず瞳を閉じてしまう。