『りみちゃん!へこまないで!』

布沢夏南(ぬのさわかな)ちゃんが言うものの、りみは、すごくへこんでいた。


すると、夏南ちゃんが私にいった。

『さほりって、りみちゃんより可愛くないのにありえなくない?』

『そお!あたしも思う。りみが選ばれると…。』

そこにはなんとさほりがいた。

さほりは無視して席に座った。


だいぶ落ち着いたりみに、夏南ちゃんが言った。


『さほりって可愛くないのに、ずうずうしくない?』

急にりみの顔が輝く。

『そっ!ぶりっ子で、ブサイクなくせに図々しいよ。真面目に釣り合ってないよね〜』

私はさほりのほうを、チラッと見る。


あらーへこんでる。

私はりみに言った。

『あのさ、さほりさ、辞退しようねって言ってたよね〜』

『ああ!いいね!それ。引きずり降ろすのに〜』

りみは、さほりの前に仁王立ちになった。

『あのさーさほり。あんた辞退しなよ』

強気のりみにさほりもキレる。

『はあ?苦労して手に入れたこの座を誰が手放す?』

『だって、あんた自分がなったら辞退しようね!ってたじゃん。ね〜奈緒!』

『そうそう。忘れた?』

さほりが泣きそうになると、りみは覚悟しな!と吐き捨て夏南ちゃんのところに行った。


『あいつ、辞退しないって。』

『約束破りじゃない?』

『そうそう。』

『じゃあ、体で教えてあげよっか!』

『え?』

りみと、私がハモり、お互いに笑った。


『だ〜か〜ら〜、いじめるの』

ヒソっと言った夏南ちゃんのセリフにりみが大きくうなずく。

もちろん、私もうなずく。だって、約束破りのさほりが悪いんだから!