『まりちゃん。東公園の桜の木の下にすぐ来て〜』

『オッケイ。』


失敗したらおわりだ


私は家庭科室にある包丁を持ち、東公園に行った。


ケータイを見ながら立っているまりちゃんを密かにカメラに収めた。


『あ、さほりちゃん!』


もう猶予はない。


駆け出しまりちゃんの目の前に。

『まりちゃん。ご…め…ん…ね…』

『えっ?あ………………………………』


私は公衆トイレの裏に穴をほった。

公園の草花をとった

包丁を埋めた


まりちゃんを穴に埋めた。


血のついた砂も埋めた。



まあ、冬の六時だったから真っ暗。

防犯カメラがついてない公園だったし。


昔そのあたり住んでて、今もよく使うからわかるんだけどね。

桜の木の下、周辺の防犯カメラの死角なんだ。しかも、桜の木がデカすぎて下が映らないのよね。


私はわざとそこを選んだのよ。



そして帰ろうとした。ここにいてはバレてしまうかもしれないから…

でも、耐えられなかった。

天国でまりちゃんがスマイルしているかのような雲があった。


『ま、まりちゃんごめんね、許してね、私何したかわかってるから。』


自分でも良く出来たなと思った。


なんか弱虫な自分が強くなれたみたい。




ハァハァハァハァ


走った

施設の門限過ぎちゃうよ。


そういえばやっとやっと相部屋じゃなくなったんだよね。


『ギリギリよ!さほりちゃん!』

施設のうるさい門限オババが言う。

『あ~いすみませんでした〜』

『ん、もうっ。』

というオババをチラッと見て私は階段を駆け上がった。




私は強くなれた。

まりちゃんを犠牲にして

でも、まりちゃん、私が強くなること望んでたよね?



部屋まではこの気持ちを保った。

玄関に入りベットに寝転びながら、携帯を開く。


壁紙では笑ってるまりちゃん。

もうこの世にまりちゃんはいないんだよね。


『あ~』

壁を3発蹴り携帯を閉じた。


『さほりちゃん。ごはんですよ』

食事係の人が持ってきてくれたご飯を受け取り、軽く会釈しドアを締める。

その時


ブーブーブー

携帯がなった。

ーーーりみーーー

『もしもし。り…み…?』


『キャハハハハハハ!あんたさあ、まりのこと殺したの?』

『うん…。』
『ケーサツには内緒にしてあげるよ。』

『うん…。』

『な、ん、でうんしか言わないの?』

『あ、ごめんね。』

『これ、会話になってる?夏南。』

『なーってるわけ無いじゃん!赤ちゃんあやしているみたい。』

『赤ちゃん!それなWW』

『ねっ、りみ。あたしへの態度よくしてくれるんだよね?』 


『もちろん。うちら解散するから〜』

『あ、オッケイ』

『バイバイ』

ツーツーツー


やった!明日から楽しい学校生活じゃん!

頭の中をまりちゃんがよぎる。

『まりちゃん。ごめんね。
もう誰にもしないから』

私は声に出し、土下座し、公園の方を向き謝った。