「これ、網棚のネジが一本外れて落ちたんだな」
旺太はそう言い、視線を上へと上げた。
あたしは背が小さくて見えないけれど、網棚を固定しているネジが外れているみたいだ。
まぁ、一本くらい外れていても大丈夫だろうけれど、こういうのを放置しているなんて危ない。
点検がちゃんと行われていないのだろうか?
そう思っていると旺太がまた屈みこみ、そしてネジで床に傷をつけ始めた。
ガリガリと音を鳴らしながら旺太は何かを刻んでいく。
「何してるの?」
「今までの出来事を整理しようと思ってな」
そう言われてよく見て見ると、旺太は床にここでの出来事を順序立てて書き出している所だった。
ここには紙も鉛筆もないけれど、こうして文字を書く事ができる。
文字にすれば頭の中で整理もしやすくなるし、あたしは旺太に関心していた。
しかし……。
いくら文字にしてみても、わからない事が次々と起きている中で答えを見つけるのは困難だ。
旺太は最後に《残り30》と書いた。
その瞬間、全身がビリビリとしびれるような感覚に襲われ、呼吸が乱れた。
どこかで見たか、聞いたことのある文字だと思った。
だけど、いつ、どこで?
それが全くわからないのだ。
あたしは何かを忘れている。
なにか、大事な事を……。
旺太はそう言い、視線を上へと上げた。
あたしは背が小さくて見えないけれど、網棚を固定しているネジが外れているみたいだ。
まぁ、一本くらい外れていても大丈夫だろうけれど、こういうのを放置しているなんて危ない。
点検がちゃんと行われていないのだろうか?
そう思っていると旺太がまた屈みこみ、そしてネジで床に傷をつけ始めた。
ガリガリと音を鳴らしながら旺太は何かを刻んでいく。
「何してるの?」
「今までの出来事を整理しようと思ってな」
そう言われてよく見て見ると、旺太は床にここでの出来事を順序立てて書き出している所だった。
ここには紙も鉛筆もないけれど、こうして文字を書く事ができる。
文字にすれば頭の中で整理もしやすくなるし、あたしは旺太に関心していた。
しかし……。
いくら文字にしてみても、わからない事が次々と起きている中で答えを見つけるのは困難だ。
旺太は最後に《残り30》と書いた。
その瞬間、全身がビリビリとしびれるような感覚に襲われ、呼吸が乱れた。
どこかで見たか、聞いたことのある文字だと思った。
だけど、いつ、どこで?
それが全くわからないのだ。
あたしは何かを忘れている。
なにか、大事な事を……。