とてもじゃないけれど、何も見えないような闇の中に入って行く勇気なんて、あたしにはない。


だけど、澪は何かを思いだした瞬間、迷う事なくその中へ飛び込んで行った……。


「それにね、もうひとつ気になる事があるの」


あたしは優志に向けて言った。


「なに?」


「澪は『またね』って言ってた。『またね』って事は、あたしたちと澪はまたどこかで会うってことだよね? 会える事を知っている。って言う感じでもあった」


「確かに、気になる言葉だな」


優志は腕組みをして考え込む。


朋樹も旺太も、同じように考え込んでしまった。


あたしも、澪が残した言葉が何かの手がかりになるような気がしている。


「『思いだした』ってことは、澪は何かを忘れていたってことよね。それも、結構重要な事を」


愛奈がそう言い、あたしは頷く。


少なくとも、晩ご飯じゃないことは確かだと思う。


だけど、それが何かわからない事には前に進む事はできない。


肝心の澪はいないし……。


そう思った時、旺太が口を開いた。