がばっと上半身を起こす。
きょろきょろと辺りを見回すけれど、自分の記憶にはないような見た事のない景色がそこにはあった。

洞窟のような、ごつごつとした石の壁。
粗末なベッド。テレビのような現代的な機械類は何一つ置いていない。
小さな棚が一つ置かれているだけで、あとは何もない殺風景な部屋だ。

そしてぼんやりと薄暗い。
電灯のようなものはなく、蝋燭で明かりを灯しているようだ。

なんだここ。
どういうこと?
これは夢?

もしかしてまだ夢を見ている?

・・・まてまてまて。
夢なら早く覚めなくては!

これから大事な試験があるのよ私には!!
寝てなんていられないの!!



「璃音!!夢なら早く起きるのよ!!!こんな夢を見てる暇なんてないわ!!!!!」

と、現実に戻るように、寝ているであろう自分に向けて叫んだ。