一部屋だけ空きがある、と私達はその部屋に通されフルートの修理が終わるまで、このシェルターでお世話になることになった。

机に向かうと、私は早速そのフルートを分解する。
壊さないように、ゆっくり丁寧に分解していく。

オイルが固まりネジがなかなか回らない部分もあったりして、バラバラにするまでにかなり時間を要した。
古くなったタンポを綺麗に剥がすのにも手間がかかった。



でも、またこのフルートに命が吹き込まれるように。
このフルートの音色を響かせられるように。

何が何でも、私はこの楽器を復活させてみせる。


リペア(修理)の使命だから。

それが今の私に与えられた使命なのだから。



私は夜遅くまで机に向かい、修理を続けていた。
ただひたすらに作業をしている私に、心配してウェインは声を掛けてくれる。

「・・・大丈夫か?少し休んだ方がいいんじゃないか?」

「大丈夫よ、このくらい。なんてことない」