それを言われると何も言えなくなってしまう。
こんな所では死にたくはない。出来れば自分のいた世界で人生を全うしたい。

だけど。
だけど・・・!


「お前と同じ世界の人間が住んでいた街・・・。お前が戻れる術も何か分かるかもしれない」

「・・・っ」


「腹を括れ、リオン」


ウェインは真っ直ぐに見据えている。
真剣な瞳。

そんな目で見られたら、嫌だ、なんで言えなくなるじゃない。


ああ、もう。
私、何か悪いことした?
これが私に与えられた運命なのだとしたら、神様を呪うわ。

でも、行くしかないのよね。
行かなきゃ何も始まらないのよね。

私がこの世界から戻る為には、行動するしかないのよね?


「・・・わかった」

仕方なしに、そう返事を返す。
その返事に、ウェインは心なしか安心した表情を浮かべた。


―――こうして私達はアルデハラへと向かった。
アルデハラのある方向の空は、更に赤黒く気味の悪い色をしている。

その色は、これから起こる何かを暗示させるような、そんな色をしていた。