Repair of the world～フルート吹きの魔法使い２～

ウェインはカバンを覗き込み、ドライバーを手に取り不思議そうな顔で見ていた。

「知らないの？」

「分からん。何に使う道具なんだ？」

驚いた。この世界にはネジがないの？

「壊れたものを直す道具よ。私は楽器を直す学校に通っていたの」

ウェインからドライバーを奪い取り、カバンの中にしまう。

今はこの道具だけが私の心の拠り所。
失くしたら死んじゃう！！

「楽器を直す仕事？」

「そうよ。本当は楽器を吹くプレイヤーの仕事に就きたかったんだけど、才能がないから修理の仕事に就こうと思ってそういう学校に通っていたの。本当は今日試験だったのよ、大事な試験。でも、こんな事になっちゃって・・・」

そう言ってまた泣きそうになった。

もうどうにもならないって事はわかってるんだけど。
どうしても信じられなくて。