「・・・そうか」

ウェインはハッとした表情を浮かべ、本をリリスに返すと私を見つめた。

「お前、名前は?」

「あかね、りおん」

「・・・どっちが名前だ?」

「りおん」

「リオンか。何故お前がこの世界に呼ばれたのか、訳がありそうだな。私の名はウェイン=シェイカー。ある者を追って旅をしている。お前も私の旅についてこい」

「・・・は?」

偉そうな口調とまさかの発言に、口を開けたまま固まってしまった。

旅?私がついていく?
なんで私がそんな事・・・。

「この世界ではお前の住む場所などない。外を見ただろう?今この世界は危機的状況にある。この世界ではお前一人で生きてはいけないぞ?」

「いや、それはそうだけど・・・」

「俺と旅をしていれば、もしかしたらお前が元の世界に帰れる方法が見つかるかもしれない。・・・違うか?」

「・・・・」

「こんな世界で死にたくはないだろう?黙って俺についてきた方がいいと思うがな」